ゴジラ(戒厳令その2)

3C 丸岡、帰って来ました、です。

 ゴジラ看板

さて、このまえは「ゴジラ」観ることできずに残念無念。
帰るまでには何がなんでもということで、6月4日、昼過ぎには仕事を切り上げ、再び「ターミナル21」へ。シネマコンプレックスは最上階。映写館が5つほどあって、それぞれ違う映画を上映してる。で、シネコンの入口にはでかでかとゴジラの掲示が。はい、写真見てください(なるほど、5月15日からやってるのね)。
さて、ゴジラの映写館に入ると客の入りは4割弱。平日の昼下がり、封切りしてから3週間近く経ってることを考えると、よく入ってる方かも。

まずは、封切り予定の映画の予告編が次から次へと5本ほど上映され、それが終わると、なにやら高雅な音楽が流れはじめる。ここで観客は全員起立。このとき手にコーラやポップコーンを持っていてはいけません。いわゆる「気をつけ」の姿勢ですな。音楽と共に銀幕に映し出されるのはタイ国王のご真影やタイ王室を讃える映像。その1分か2分ほどの間、タイ人であろうと外国人であろうと、ずっと「気をつけ」。それが終わってみんな着席。でもって、映画本編が始まる・・。これ、タイの映画館ではどこでもやってまして。国王を、王室を敬う、あるいは立憲君主制を支持するという考えが日常生活レベルで習慣化されてるわけでして。

え? それより「ゴジラ」はどうやった?
はいはい。ご存じの通り、前のハリウッドゴジラはやたらちょこまか動き回るただのでかいトカゲ。つまりジュラシックパークの亜流で、なんやねんこれ、みたいなことでしたが、今度のゴジラはちゃいまっせ。あの懐かしい雄叫びの響きもそれなりに再現されてまして、なにしろ、我々にはあたりまえですけど、2本足でドシーンドシーンと歩いてくれる。きわめつけは、背びれを青白く輝かせて口からはき出す放射能火炎。これがまた青白い。やっぱ、これですわ。これがないとゴジラじゃない。この放射能火炎、最後に凶悪な敵怪獣を葬り去る決め技になっとります。

お話しはと言えば、今を去ること15年前、フィリピンで地震があり、露天掘り炭坑近くで巨大な洞窟が発見される。その中にはまあバカでかい未知の生物の骨の化石が。そしてその洞窟から海へと続く巨大生物の移動の痕跡。はたしてこれは?

同じ頃、日本の某原子力発電所。この原発に米国人技師がおるんですな。なんで日本の原発におまえがおるねん、といういう疑問はともかく、不可解な予兆(規則性のある周波数)が検知されたのちこの原発が大崩壊するんですな。この大崩壊によりこの米国人技師は妻を失ったばかりか、おまえが悪いんや~、ということで仕事も失い世捨て人同然に。しかし、あの不可解な予兆にこそ事故の原因があると信じ、彼は日本に居続けながら孤独な調査を続ける(ビザの更新とか、してるんやろか?)。

そして、現在。
じつは、原発崩壊は、フィリピンからやって来た放射性物質をむしゃむしゃ食べる荒唐無稽な怪獣の仕業。この怪獣、原発を崩壊させたあと、立入禁止区域となっている崩壊現場に眠っていたが、眠りから覚め翼をひるがえし飛び立っていく。で、フィリピンで発見された化石は、かつてビキニ環礁などで米国が行った原爆実験により変異した恐竜型巨大怪獣、つまりゴジラの祖先だった、と。むしゃむしゃ怪獣は食べ物となる核廃棄物を求めて米国へ(六ヶ所村の方が近いのに)。ゴジラは本能的にむしゃむしゃ怪獣を敵とみなし、これを追って日本へ、さらには太平洋を一路米国へ。

あたかも広島・長崎のしっぺ返しのように、むしゃむしゃ怪獣(2匹)に蹂躙破壊される米国の街々(まあ因果応報・・か)。そして、これを殲滅せんとひとり奮闘するこれまた核の申し子怪獣王ゴジラ(・・これって集団的自衛権の発動?)。

あの米国人技師は、原発崩壊は怪獣の所為だったことを知り、肩の荷を下ろすように途中で死んじゃうのですが、その息子が兵隊さんで活躍したり、むしゃむしゃ怪獣には電気や電子機器を無効にする能力があるもんで近代兵器が通用せえへんとか、核爆弾で怪獣退治しようとする米軍司令官に渡辺謙扮する日本人科学者が古い懐中時計を見せながら「この時計な、1945年8月6日午前8時15分から止まったままやで」と告げ、司令官は「むむ、ヒロシマでっか・・」と苦い表情で答える(←もっと反省せ~よ)など、サブストーリーもいろいろ(・・字幕も吹き替えもないもんで、こまかいところはわからへん)。

それにしてもこのゴジラ映画、実にまっとう。まさに日本ゴジラの正系。怪獣バトルも迫力満点(ぬいぐるみとちゃいまっせ)。個人的には二重丸。
さて、戦い済んで日が暮れて。満身創痍のゴジラは、いつものように黙ってひとり海に帰っていくのでありました。

おあと、くわしくは映画館で(日本封切りは7月・・夏休みになってからですけど)。


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