北京あれこれ


「北京あれこれ」(3-C 丸岡 敬尚) 

旅のツバクロ どさ廻り

北京 1

昨日笑って 今日泣いて

あきらめ明日の 日が暮れる

・・・てなことで、数日前から北京に来とります。毎年CHU国で関係業界の展示会がありまして。去年は上海。で、今年は北京。個人的にはこっち方面には近づかないようにしてますけどね、欧州や米国の関係先が出展してまして、そこに日本や東南アジアのお客が来るもんで。お仕事ですから、まあ、しょうがない。テレビや新聞で、大気汚染だPM2.5だといろいろ言われてますからね、やっぱりマスクは要るやろなとそれなりに持って来たりしまして。毎朝、どないなもんやろかと、ホテルの部屋の窓から外を覗いてますが、それほど煙った様子もなくて(写真1)。そんなことで、まだマスクはスーツケースのなかで眠ったまま。

北京 2


ホテルから展示会場に向かう車の中から、ふと外を見ると、自転車に乗ったおばちゃんが(写真 2)。いえ、おばちゃんじゃなくて、その背景の壁ですな。何が書いてあるのかとよく見ると・・。左から「中華人民共和国成立65周年」でその次に「共産党・好」「社会主義・好」と。でもってその次は「改革開放・好」「偉大祖国・好」「各族人民・好」と。こういうとき漢字は便利ですな。だいたいの意味、わかりますもん。でもって、その右側にも色々あります。「富強、民主、文明、和諧、自由、平等」と。う~む、なんでもええから書いとけ、みたいな・・。最後に「公正、法制、愛国、敬業、誠心、友善」。やっぱし、羅列ですわな、これ。それにしても「敬業」とは、何のことでっしゃろか。こいつだけ意味不明。

さて、その日の展示会が終わると、地元の連中の案内で、やれ四川料理だ、それ潮州料理だと、中華料理店へ晩飯に出かけます。で、今回はじめて「澳門火鍋」なるお店へ。つまるところは「マカオ鍋」。え?マカオ鍋って何でっか、と聞くと、「マカオの鍋料理店、北京ニモ店出シタアル」と。あ、さよか。鍋に煮えたスープ出汁。そこへ野菜だ、肉だ、魚だと、あれこれ放り込む。要するに日本の鍋と変わりませんが、マカオ鍋としての売りは、豚や鶏を煮込んだこのスープ出汁(豆乳も入ってるような味ですけど)。それと、いろんな薬味を自分で組み合わせて作るタレ。醤油ベースの基本ダレに、刻みニンニク、揚げニンニク、ネギ、パクチー、刻みトウガラシ、ラー油なんかを好きなように混ぜるんですわ(・・味は違いますけど、まあ、タイのMKやコカレストランのタイスキ鍋みたいなもんで)。

北京3北京4

日本では鍋料理でそんなんフツーですけど、いっしょに食べにきたポルトガルのおっさんやドイツのおに~ちゃんにしてみればこれはこれでけっこう珍しい。日本でも鍋にあれこれ入れますが、ここはCHU国、なんでも食べる。で、何てったって鶏の足(写真3の左)。今でこそ、中華料理の食材としてはまあそれなりに一般的なもんやと知ってますけど、二十数年前にCHU国の田舎の中華料理屋で初めて出されたときは、うわ、どないしょ、と内心うろたえたりもしましたが。でもって、鶏の足の隣には、なにやら得体の知れん奇妙なもんが(写真3の右、それと写真4)。う~む、怪しい、ひょっとして、見た目の通りのへんなもん? 思わず、コレ何アルカと地元のおっちゃんに尋ねると、「ソレ、貝アル」と、捨ててあった細長い貝殻(二枚貝)を指さします。どんなもんやとよく見ると、どうやら日本で言うマテガイのような・・。ままよ三度笠、思い切って口に放り込むと、おっと、なかなか美味いやないか。食感としては、まあ、トリ貝ですな。あらま、ハオツー、もう一本(・・貝の数え方ってなんですかね、一匹二匹とちゃうやろし)。はい、そんなことで、見た目のようなそんなもんではございません。

さてはて、展示会も無事終了。さっさと母国に帰りましょ。

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