”独断と偏見だらけのトランプ以降のアメリカの政治・経済の緊急レポート!”

サミー新開の「独断と偏見だらけのトランプ以降のアメリカの政治・経済の緊急レポート!」

新開 誠一(3ーA)

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先日、母校の大学の関西学院のホームカミングデーとロスアンゼルスの同窓会の支部長をしております関係で、世界支部長会に参加させて戴き、40年ほど前の青春の記憶がよみがえり、非常に懐かしい思いをしたばかりのところ、森川くんが発起人となり、高津高校の同窓生との懇親会も開いて戴きました。

私は、高津高校時代と大学の2年生までは、軟派で遊びに明け暮れ、その後ヨーロッパ放浪とパリでフランス語の勉強の為、2年大学を休学し、それらの体験・経験を通じ自分のこれからの人生を全く違う視点からつめ直すこととなりました。

日ごろは、海外のロスアンゼルスにて生活をしておりますので、母校の高津高校に何ら寄与する事は出来ませんが、来年の100周年記念の際には、機会がありましたら再度大阪に戻り、記念イベントの行事に参加をさせて戴き、また50年ぶりに高校のクラスメートたちに会い昔話しなどをしたいと思っております。
100周年記念イベントの前か後に22期だけの集まりはないのでしょうか? 出来れば、分会と言うかたちで金曜日か日曜日にやって戴けますと来年大阪に来る価値が高まります。(もう既にご企画をされていて、告知・通知をされておりましたら、その案内を私にお送り下さい。)

私もロスアンゼルスで支部長をしております関係で、さまざまな母校への奉仕を献身的にする事が如何に大変かを認識しており、そう言った活動をされている佐伯さんたち役員、幹事のみなさんには頭が下げる思いで、感謝にたえません。

残りの人生のローソクも徐々に短くなって来ておりますが、燃え尽きるまでしっかりとこれからも歩んでいければと思っております。

添付したのは、森川くんから、「アメリカの政治と経済の今後の展望を簡単で良いから、独断と偏見で書いてくれ」と、依頼されましたので、拙文を認めたものです。

では、今後とも宜しくお願い致します。

                 新開誠一拝


「サミー新開の独断と偏見だらけのトランプ以降のアメリカの政治・経済の緊急レポート!」


世界経済を圧倒的なその個人消費で牽引し、世界の警察としての軍事(産業)大国としてのアメリカの現況を分かり易く分析し、ご報告を下記に箇条書きで行います。

  • アメリカは90年代半ばからITバブルの好景気に沸き、2000年3月10にNasdaqが最高値の5,048ドル(同時期ダウは11,723ドル)を付けた後、9.11同時多発テロの影響などもあり、急速にアメリカの経済は坂道を転げるように下降線を辿りました。

  • ブッシュ政権とアメリカの経済界(特に金融業会)は、何とか再度アメリカの経済(株価)を浮遊させようと、禁断の果実とも言える住宅をアメリカの低所得者層に買わすと言う愚挙に出ます。英語も読めない、家を買う十分な所得もない人たちを扇動し、サブプライム・ローン問題を引き起こし、2008年9月15日に終にリーマンショックが起こり、その為連鎖的に世界的な金融危機が発生しました。

  • その後、アメリカ政府はサブプライム・ローンでかなりの打撃を受けていた大手銀行を救済し、家のローンの貸出し基準を厳格にする事により、この問題は沈静化しました。

  • アメリカはその後、景気を上げる為に、金融緩和政策(金利を下げ、お金を大量に印刷する)をオバマ政権時代にFRB(イエレン議長、アメリカの中央銀行)が行う事になります。

  • クリントン政権時代に財政赤字はゼロとなったのですが、石油利権を目論んだブッシュ政権時代にイラク戦争などを起こした為、財政赤字は10兆ドル(1100兆円)まで膨れ上がり、その後オバマ政権の8年間で約倍近い20兆ドル(約2300兆円、一説には36兆ドル/約4000兆円)までに膨れ上がりました。

  • アメリカの経済成長率は、リーマンショック前後の2008年と2009年にマイナスの0.3%から2.8%に落ち込んだが、その後はおよそ1.5%~2.5%を維持しており、今年(2017年)も2.2%前後の達成すると思われ、また失業率も2010年には10%前後あったものが、現時点の2017年8月時点ではほぼ完全雇用とも言える4.4%となっています。株価は連日記録更新を現在行なっており、ダウは23,000ドル台を、Nasdaq6,700ドル台をつけ、過熱気味の様相を呈している。

  • アメリカは世界一の大借金国であり、借金の上限を議会で毎年引き上げ、また国債(Treasury Bond)を際限なく発行しては、アメリカのポチである日本に買わさせている。(買わないと、日米安保を破棄し、中国や北朝鮮の脅威の盾になって貰えないと言う現実がある)第1位の日本のアメリカの国債の保有額は、去年の10月末時点で約1兆3千億ドル(約147兆円)と平成28年度の一般会計予算の約97兆円の約1.5倍に膨れ上がっているが、アメリカがこけたら(くしゃみをすれば)、日本はやっていけなくなるので、この国債保有額はこれからも少し減る事はあっても、それほど変わらず、日本はアメリカの国債を買い続けなければならないでしょう。第2位の中国は、1兆1200億ドル(昨年の10月時点、127兆円)ですが、時には敵対するアメリカの国債を持つポートフォーリオは、自国の様々な歪みが出て来ている問題に対処するのと、これからの軍事拡張にお金が要るので、少しづつ減って来るものと思われます。

  • アメリカのこれからの内的な要因で経済がおかしくなる一番の要因は利上げだと思われます。今年中にもう一回の利上げをFRBがやる予定ですが、これは既に市場では折込み済みなので問題はないです。但し、FRBのハト派のイエレン議長が続投すれば、アメリカの金利はソフトランディングすると思われるが、インフレ(継続的な物価上昇)に対して厳しい見方をして、引き締め(利上げ)の方向の考え方も持っているタカ派のテイラー氏が任命されれば、下手をするとハードラインディングを起こし、一旦経済はかなり揺れ動くかも知れません。

  • アメリカの経済(日本も含め)の今後の鍵となる外的要因として一番恐いのは、中国が総額300兆円とも言われているシャドウバンキングのマーケットの破綻です。ひとたび破綻への道へ動き出せば、世界的な同時株安が起き、また、そうなれば中国は自国の火消しに躍起になり、上記のアメリカの国債の償還をアメリカに要求します。そうなると、今までドルを刷っては、国債を買わせて何とか生き延びて来たアメリカは大不景気(大恐慌までいくかも?)となります。アメリカの大銀行が大量に保有している金融派生商品(デリバティブ、Financial Derivative Products)も破綻を来たす可能性が高く、第二のサブプライム危機、それ以上になる可能性はあります。

  • アメリカは固定比率による金とドルとの交換を止めた1971年のニクソン・ショック以降も、世界一の金保有量(公称では約8千トン)を誇り、世界第二位のドイツの約3400トンをはるかに抜いている筈です。しかし、ドイツが預けてある金1500トンの返還要求を頑なに拒み続けており、アメリカは自ら保有する金を使い切り、またドイツや日本などの他国から預かった準備金まで手を付けていると言う横領疑惑があります。ニクション・ショック後、ドルは金とう担保を失っただけでなく、アメリカ経済の構造的な成長の鈍化、巨額の貿易・財政赤字などにより、その信認が失われて来ています。

  • アメリカはドルの基軸通貨としての特権を利用して、労せず世界中の資源や労働を手にして来ました。ドルの購買力減価を抑える事がアメリカの国益(すなわちその支配層であるユダヤ金融資本家や軍産複合体の利益)にとっても最も重要な課題であり、それは過去も現在も揺ぎ無い真実です。それは、アメリカが過去30年の間に、13回の戦争を行い、約14兆ドル(約1600兆円)を使って来たと言う証拠です。

  • アメリカに住んでいて、一番驚くのは、雇用が安定していないと言う事です。会社の都合でいつ何時解雇されるか分からず、働きながら次の少しでも良い地位と給料を探している事です。卵が先か、鶏が先かの議論になりますが、そんな雇用主・会社に忠誠を誓い、一生懸命働くアメリカ人は本当に少ないです。また、少し持ち家の値段が上がると、その分を旅行や車などの消費に回し、全く貯金をしようとしません。

  • 現在、燻っている北朝鮮問題は、遠からず決着を見ると思われます。キム・ジョんウンの斬首作戦、空爆による限定攻撃などが考えられますが、少なからず韓国と日本は北朝鮮からの攻撃でかなりの被害が出ると思われます。今回のトランプ大統領の日本・韓国・中国への訪問の大きな目的は、事前に上記の何らかの攻撃を想定した有事の際の事前打ち合わせと承諾だと思われます。

  • 北朝鮮との戦争になれば、株価や債券相場などはかなり下がるでしょうが、北朝鮮と言う世界の大きな不安定要因が無くなれば、また株も債券も市場は落ち着きを戻すと思われます。

  • 最後にトランプ大統領・政権ですが、”America First”のモットーを基に、下記の様な政策を打ち出したものの、今のところ成就したのは一つぐらいです。
    1)最初の
    2年間で2500万人の雇用創出。
    2)
    TPPからの離脱と北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し
    3)オバマケア(健康・医療保険)の見直し
    4)法人の減税と個人所得税の引き上げ
    5)1兆ドルのインフラ投資
    6)不法移民の取締り強化とメキシコとの国境の壁(トランプ・ウォール)
    7)イランとの核合意破棄

  • 1100万人居ると言われている不法移民問題なども、アメリカは不法移民を低賃金で働かせ、アメリカの社会や地域を支えて来た事実があり、長い間黙認して来ました。しかし、9.11同時多発テロやリーマンショック後のアメリカの経済の落ち込みに、中間層が職を奪われ、貧困層に落ち込んだ社会の怒りや歪みが、歯に衣着せぬトランプ大統領誕生の原動力になりました。

  • トランプ大統領はそうした経済の格差の不満の受け皿となり、益々社会の対立や不安を助長し、アメリカ社会を分断するかたちとなっています。

  • アメリカは移民の国であり、その多様性が技術の革新を生んで来た側面がありますが、最近ではAppleFacebookGoogleなどの巨大技術革新会社に匹敵するような技術革新の会社が誕生せず、ここ10年ほど技術革新が進んでいません。トランプ大統領の移民政策により、益々優秀な移民がアメリカに入って来なくなり、アメリカの経済を90年代後半から牽引した技術革新にも閉塞感が漂い始めています。

  • トランプ大統領は、大統領選挙から1年が経ち、その大統領としての成果を検証されつつありますが、今のところ問題ばかりを起こし、国を正しい方向に導いていると到底言い難い状況です。但し、彼を支持する頑固な支持者は、依然アメリカの社会の中で  40%と言う強固な支持基盤が占めており、余程の失策がない限り、ニクソン大統領のように職を追われると言う事にはならないと思われる。

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