クーカム

ご機嫌いかが。こちら、相変わらずで。

 バンコクドナルド


またぞろ、
7/13から7/24までバンコク。戒厳令も解除され、行きも帰りもTG便はほぼ満席。
それにしても、なんですか、この暑さ。
少し前に「ドナルド・マクドナルド・ハウス」でボランティア、との投稿がありました・・・いえ、それとは関係ないんですけど、タイのマクドのドナルド君はこんな風に店の前に立ってます(写真1)。はい、両手を合わせて「おもてなし」・・じゃなくて「サワディ・カップ」です。

 バンコクうまい


さて、マクドが出てくると次はKFCですけどね(・・えらい強引やな → まあよろしやん)。いえね、ちょっと前のことですけど、このKFCの看板(写真2)見たとき、さすがのわたしも「あらま?」とか思ったりしまして。なにしろ「日の丸・日本」の鉢巻きまいてピリ辛フライドチキンが「うまい!」ときたもんだ。しかも背景には「旭日旗」らしきものまで・・。


こんなん大丈夫?とか思うのは、どこかの政治プロバガンダをさんざん聞かされ続けてるからなんでしょうけど、大丈夫どころか、タイでは「日本(日本なるもの)」を使うことで商品の訴求力を高める、みたいなことのようで。で、コンビニにはフツーにこんなんもあります(写真3)し、Tシャツも(写真4)。まあ、我々が横文字のロゴや商品名をフツーに受け入れているのとおんなじでして。

 バンコクにほん バンコクティシャツ


親日とか半日・・いえ反日とか言いますけどね、極端に言ってしまえば、タイには(そしておおむね東南アジアには)そもそも「反日」というコンセプトがないのではないか、と。「反日」がないならその対極概念としての「親日」もない。え、なに言うてるのん?とお思いでしょうが、つまりは、親日とか反日とかは「意識的な思考」ですわ。意識的にあ~だこ~だと言ってるような「観念的な様態」ですわね。タイでは(おおむね東南アジアでは)そんなもんをはるかに超えて、ごく自然なかたちで「日本(日本なるもの)」が社会や人々に良好に受容されてる・・そんな感じですわね。


これは、タイ国がまだまだ開発途上にあったころ、その社会経済の発展に寄与した日本の先達の地道な努力によるところも大きいんですが、タイの大衆文化を代表する物語「クーカム」による影響が相当にあるんではないかと、わたし思ったりしております。
この「クーカム」、もとは「メナムの残照」という、40年余り前にタイの女性作家が書いた小説で、タイ人なら知らない人はないという国民的悲恋物語(クーカム自体は「かなわぬ二人」みたいな意味らしい・・間違ってたらごめん)。初めて映画化されたのが40年前。それ以来リメイクやテレビドラマ化が10回以上もされてまして、昨年は、どういう訳かテレビでも映画でもリメイクされてました。
さてこの物語、舞台は大東亜戦争まっただ中。日本の駐留軍の小堀大尉とタイの美女アンスマリンの出会い。立場の差や偏見を乗り越えついに心通わせ結ばれる二人。小堀の子を宿したことを知るアンスマリン。しかし戦況ますますきびしく、ついに小堀は帰らぬ人に。届く悲報。よよと泣き崩れるアンスマリン・・・嗚呼。
原作の女性作家がどんな人かは知りませんが、幸いなことに、日本からやって来た小堀大尉は実に真面目で優しい人柄として描かれてます。このため、映画化・ドラマ化のたびに、そのときのタイのトップスターが小堀を演じることがお決まりとなってます。つまり、多くの女性ファンが、タイのトップスターが演じる小堀大尉に熱狂し、小堀のおかげで「日本(日本なるもの)」が多くの人々に浸透していく、ということになるわけでして。

バンコク映画

で、写真5は「テレビ版」のポスター(小堀を演じるのは不動のトップスター、ビー)。
で、映画版トレーラーがこれ(↓)。百聞は一見に如かず(小堀を演じるのは若手トップのクギミヤ)。
https://www.youtube.com/watch?v=eHfaxbW-ors
くどいようですけど、日本人が作った映画とちゃいます。純正のタイ映画です。
これがタイでは(まあおおむね東南アジアでは)「日本(日本なるもの)」に対するフツ~の視線。どこかの鬱陶しい政治プロバガンダとは雲と泥。こういうのを見ると、我が来し方を振っては反省しきり、思わず襟を正したり・・してしまいますねん。


(寄稿ページトップに戻る)